※記事には古い情報も含まれますので、ご注意下さい。当サイトに掲載された内容や、リンク先のサービス等によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
2025/7/21
雑感
2025年7月20日、参議院選挙の投票日でした。
今回の選挙では具体的な国民の暮らしに対する議論が薄く、外国人政策が主な争点となっていました。
SNSを中心に世論が分断され、異様な空気感で日本中が包まれています。
こんな今の日本だからこそ多くの方に見てほしいなあと思った、差別やジェンダーがテーマの作品、選挙のドキュメント映画などをご紹介します。
個人的に過去に見た映画を思い出しながら記事を書いておりますが、全てのジャンルをカバーできていないこと、ご了承ください。
※2025年7月20日現在、U-NEXTで配信中
関東大震災の混乱の中で広まったデマをきっかけに、行商の一行が朝鮮人ではないかと疑われ、暴走した福田村の村人たちに惨殺された実在の事件を元にした映画です。
また、平澤計七ら社会主義者たちが、関東大震災による治安悪化を理由に捕らえられ処刑された亀戸事件についても描かれています。
多様な差別や集団心理の恐ろしさが、多くの主役級の俳優たちによって表現されています。
かきたてられるような激しい太鼓のリズムと、生々しくリアルな映像表現で、緊張感が途切れない作品でした。
亀戸事件の2年後、1925年に治安維持法が制定され、共産主義・社会主義者だけではなく、多くの思想家や宗教家が弾圧されました。
「あなた、また何もしないつもり?!」と叫ぶ田中麗奈さんの声は、視聴者に向けられたものではないでしょうか?
※2025年7月20日現在、配信サービスは見つかりませんでした
実在の無政府主義者である朴烈(パクヨル)と金子文子を描いた作品です。関東大震災の混乱の中、日本政府は朝鮮人や社会主義者などを拘束、朴烈と文子も大逆罪で起訴されます。
シリアスなテーマの映画ではありますが、前半はユーモアある若い二人の恋愛の日々も描かれています。文子を演じる韓国人俳優のチェ・ヒソさんがとってもチャーミング!
特に、同士として「同居誓約」を交わすシーンが印象的でした。
映画では描かれていませんが、金子文子は無籍者として生まれ、家族に虐待されて育ち、預けられた朝鮮の親戚の元でもひどい仕打ちをうけていたそうです。当時、日本の統治下にあり、文子と同じように虐げられていた朝鮮の方々にシンパシーを感じていたのでしょうか。
帰国後、学ぶために上京し、朴烈と出会ったそうです。
全ての子どもが出自や性別に関係なく好きなように学べ、自分が望む生き方を選べる世界になってほしいと願います。
※2025年7月20日現在、U-NEXT等で配信中
埼玉に暮らすクルド人家族の物語。高校生の長女サーリャは、日本語が話せない同胞たちや、妹弟の世話をしながら、大学を目指している真面目な女の子です。そんな中、父の難民申請が通らず、在留資格を失ってしまいます。さらに父は不法就労で入管に就労され、子どもたちは困窮の中、苦境が続きます。
難民の方のニュースを見聞きはしていたけれど、制度の詳細を知らず、驚くことばかりでした。まず、在留資格を失うと働くこともできず、県外への移動などが制限されるそうです。生きていくためには生活しないといけないのに、どうしろというのでしょうか?そして、この映画のケースでは子どもたちだけが取り残された状況です。実際に同じような状況の子どもたちが、日本にどれくらい暮らしているのでしょうか?
ラストシーンも決して明るいものではなく、彼女たちの未来を案じました。
父、妹、弟役の俳優さんの演技がどことなくプロっぽさがなく、でもとてもナチュラルで、オーディションで選ばれた方なのかなあと思いながら拝見していたのですが、なんと主演の嵐莉菜さんの実際のご家族だと後に知りました。皆さん雰囲気が柔らかく、優しい笑顔が素敵でした。
※2025年7月20日現在、Amazonプライムで配信中
刑務所を出所した主人公が雇われ店長として働くどら焼き屋。徳江のあんこで作られたどら焼きは美味しいと地域の評判に。でも、彼女がハンセン病の患者だったことが噂となり、店の評判は落ち、辞めることに。しばらくして、彼女のことが気がかりだった店主は、彼女の暮らす療養所に訪ねに行くのでした。
病気のこと、ひどい政策のこと、家族と隔離され人生を送ることの苦しみ。
まずは知ることが大切なんだと思いました。
無知ゆえの偏見。この病気に限らず、多くの差別にも通じることだと思います。
樹木希林さんや市原悦子さんが、そこにおられるだけで泣けてくるのは何故でしょう。母を思い出すからでしょうか。
※2025年7月20日現在、U-NEXT、FOD、Hulu等で配信中
仕事を辞め、家事や子育てに奮闘するキム・ジヨン。ある日突然、誰かが乗り移ったような言動を起こすようになります。
彼女が子どもの頃から女性として感じてきた様々な不公平やつらい経験、生きづらさ。それは母の時代から続いていたものでした。
先に本を読んでいたのですが、映画の描き方も前向きで好きです。
韓国のお話だけど、日本でもあるあるのエピソードが続きます。痴漢に会うと、お前が悪いと言われるとか。仕事ができる女性が、男に生まれたら良かったねと言われるとか。夫の実家に帰省してずっと台所仕事をしないといけないとか。あるある、あるある。
これは私の話では?と感じた方は多いのではないでしょうか。
女性だから、こうあるべき。妻なんだから、こうしてほしい。母だから、娘だから、嫁だから…。
そこに「私」はいるのでしょうか。
ちなみに、「キム・ジヨン」という名前は、1982年生まれで一番多い名前だそうです。
※2025年7月20日現在、U-NEXT等で配信中
20世紀初頭、イギリスで女性参政権を求める運動を行った「サフラジェット」たちの物語。夫・息子との貧しい暮らしの中、パワハラ・セクハラが横行している職場で、男たちより安い賃金で重労働に耐える日々。ある日、女性参政権運動のデモに遭遇し興味を持ち、運動に参加するようになります。
夫に反対され子どもを取り上げられたり、ハンガーストライキに対する強制摂食など、様々な妨害に会いながらもあきらめない彼女たちの姿は、見ていて辛くなりました。
彼女たちの覚悟と犠牲のおかげで、現代の女性の権利があります。改めて感謝したいです。
イギリスで21歳以上の男女に参政権が認められたのが1928年。
日本は第二次世界大戦後の1945年にようやく、20歳以上の男女に選挙権と被選挙権が認められたそうです。
※2025年7月20日現在、Netflixで配信中
ニューヨークの超正統派ユダヤ教を信仰する父方の祖母に育てられた主人公エスティ。同じコミュニティの男性と結婚しますが、満たされない生活を捨て、母を頼ってドイツに逃亡。そこで出会った音楽学校の生徒たちとの交流の中で、自分らしい生き方を模索します。
結婚後の女性は、髪を坊主のように短く切らないといけない、歌を歌ってはいけないなど、様々な制限を受けることに驚きました。また、妊娠へのプレッシャーも大きく描かれていました。
エスティに、私は子どもができて幸せ、というようなことを語る同年代の女性がいました。彼女や多くのコミュニティにいる人々にとっては、それが真実なのでしょう。また、夫も、不器用だけれど彼女を本当に愛していたのだと思います。
ただ、それら宗教の規律や価値観をどうしても受け入れられない若者たちは、現実の世界ではどうなるのでしょうか。
少女のように小柄な彼女が国を超えて逃げる姿を、ハラハラしながら見ました。
彼女の人生を前向きに想像させるラストシーンが素晴らしかったです。
※2025年7月20日現在、Netflixで配信中
日本の匿名掲示板「2ちゃんねる」のソフトウェアを元にアメリカの青年が開設した「4ちゃんねる」。ネット上の単なる悪ふざけの遊び場から、リアルなデモや嫌がらせに発展。アノニマス(Anonymous)によるハッキング、ゲーマーゲート騒動では女性ヘイトが加速。トランプが選挙で勝ち、Qアノンが出現、米国連邦議会議事堂襲撃事件へとつながります。
日本のオタクのことを「オタクとは伝統的な大人の役割に興味のない人たちだ」と説明があり笑ってしまいました。アメリカの事例だけではなく、日本で発生した西鉄バスジャック事件(ネオ麦茶事件)や、2002年ネット右翼の出現についても取り上げられています。
日本文化が好きだったオタクたちの居場所が、いつしかハッカー集団や陰謀論を生み出し、経済や政治にも影響するようになった経緯がとてもわかりやすかったです。
先日の兵庫県選挙では、悪質なデマを信じている方の多さに、なんとも言えない気持ちになりました。今回の参議院選挙でも、ネット上のヘイトに争点が影響されてしまったような気がしています。
「僕たちは陰謀論やバカげたジョークで現実をゆがめた、
しかし現実を本当にゆがめるつもりはなかった」
※2025年7月20日現在、Amazonプライム等で配信中
ダースレイダーとプチ鹿島のYoutube「ヒルカラナンデス」の選挙をテーマにしたドキュメント映画。前半は2021年に行われた香川1区の衆議院選、後半は2022年に行われた大阪・京都の参議院選を取材しています。
街頭演説中の候補者にインタビューしたり、事務所を訪問したりと、行き当たりばったり感のある取材と、お二人のトークがおもしろかったです。
前回の参議院選の様子を改めて見ていると、やはり物価高が争点でしたが、自民党候補者からは「リスキリング(学び直し)」についての言及があったりして、今回の選挙より前向きで具体的だったなあと感じました。
安倍元首相の銃撃事件があり、各候補者の緊張感やスピーチは胸に迫るものがありました。
特に、辻元清美さんのお人柄がよく伝わりました。これぞドキュメンタリー!
※2025年7月20日現在、Amazonプライム等で配信中
現立憲民主党の衆議院議員 小川淳也が初出馬するタイミングから17年追ったドキュメンタリー。特に、希望の党へ合流することになった2017年の総選挙を中心に描かれています。
小川淳也氏ご本人もご家族も、皆さん人当たりがよく、真面目で誠実な良い人達なんだなあということがすごく伝わってきました。
娘さんまでたすきを掛けて街中を駆け回っている姿を見て、政治家のご家族は大変だなあと感じました。
ですが、民主党分裂→希望の党合流の過程は、見ていてモヤモヤしてしまいました。
結果的に希望の党もなくなり、無所属になり、その後、立憲民主党へ。このあたりの経緯がもっと語られたら興味深かったなと思います。
仁義を大切にする政治家より、理念に共感できる政治家に一票を投じたい。
「アメリカ・ファースト」と叫ぶトランプ大統領が映り込み、日本にもこのような流れが来るだろう、というようなお話をされていました。まさに、今回の選挙がそうなりましたね。
※2025年7月20日現在、Amazonプライム等で配信中
2022年の東京都杉並区長選挙を追ったドキュメンタリー。再開発などに反対する市民団体の要請を請け、立候補した岸本聡子さん。ヨーロッパで地方自治の研究や運動を行ってきた方ですが、政治は未経験。監督は、ご自身も杉並区在住である劇作家のペヤンヌマキさん。
政党ではなく市民団体が主体となった政治活動なので、皆さん手探りで、試行錯誤されている様子が興味深かったです。
年配の支援者の方と岸本さんが口論するシーンがあり、おおおお…大丈夫かな…と思いながら拝見しておりました。立候補者の葛藤や、選挙の難しさが伝わってきました。
また、支援者の方々が、歌を作ったり、一人で駅前に立ったり、ご自身ができることをやられている姿がとっても印象的でした。そして、なんと最後には、彼女たちに驚きの展開があります。是非、映画でご覧ください。
結果は、僅差で勝利!一票の重みを感じました。
選挙で暮らしが変わるということが、実感できる映画でした。
選挙が終わり、これから日本がどう変わっていくのか、それとも変わらないのか。
不安はありますが、私たち一人ひとりが「自分で考えること」をやめないことが、何より大切だと思います。
映画やドラマは、そうした思考のきっかけを与えてくれたり、日々の生活に潤いをもたらしてくれる存在だと感じています。








